リンくんからのテレパシー
「うっわ、うざ。。。来ちゃった。」
ライオンのボブぞです。
んー・・・。
今日はリンくん、おうちにいないの。
半年に一度の痛い痛い検査の日で、はるばる1時間半かけてトコトコ地下鉄乗って、トーキョーのビョーインへ行ったよ。
おで、ホントはリンくんについていくつもりだったんだけどさ、朝、リンくんが出かけるとき、おで、まだ眠たくってねおフトンにくるまってたから、置いていかれちゃった。
むぅ・・・おでが昨日ちょっとイジワル言ったからへそ曲げちゃったかな?
それとも、リンくん、おでの付き添いがいらないくらい、ビョーイン嫌じゃなくなったのかな?
それか、単におでがよく寝ていたから起こさなかっただけかな?
むぅーん。
なんかさぁ。でもね、いま、テレパシー来たの。
ぴぴぴぴぴって、来たの。
ボブぞぉーっていう、リンくんの小さな声が聞こえるよ。
(ねぇ、ボブぞぉー。お顔見せてよ。お手てつなごうよ。ちっすさせてよ。抱っこしよ?)
ぴぴぴぴぴ
ぴぴぴぴぴ
ぴぴぴぴぴ ぴぴぴぴぴ
うわーん!
おで、今日夕方までずっとこのぴぴぴぴぴを受け止め続けるのかな?
しかもね。
テレパシーのはずなのに、なぜか、なぜか、おでの知ってるリンくんの汗のニオイがする。ンー12月だよ?今日は曇りのち雨予報で寒いんだって、セーターにダウンコートを着込んでいったんだよな・・・。そっか、待合室、暖房効いててアチィのな。あれ?他の人たちはコート着たままなのに、リンくんってば、セーター脱いで半袖Tシャツになってるのか。
ぴぴぴぴぴ
ぴぴぴぴぴ
(ボブぞぉー・・・。アチィ。)
いや、おで、もし一緒に行ってても、部屋の温度は調節してやれないし。
ぴぴぴぴぴ
(ボブぞがそばにいたら、暑くなくなるもん。)
うわっ、そりゃウソだよ。もう、リンくんのウソには付き合ってられないよ。プイっ!
ぴぴぴぴぴ
(やだやだ、ずっとおしゃべりしてようよ。テレパシー送り続けるよ。)
ぴぴぴぴぴ
ぴぴぴぴぴ
ぴぴぴぴぴ ぴぴぴぴぴ
うぅ、おで、そんなことなら一緒に行けばよかったな。なんでもかんでもテレパシーってのもちょっとメーワクだぞ。
ぴぴぴぴぴ
(じゃぁちょっと回数減らすよ。)
ぴぴぴぴぴ
(ボブぞ、だいすき!)
ぴぴぴぴぴ
(ボブぞ、ちゅぅ)
ぴぴぴぴぴ
(ボブぞ、抱っこ!)
ひぃー!!!
はふぅ。でもおうちのソファは暖かいしオハナ(家族)みんないるから、いっか。
リンくん、無事に検査終えてさ、おでらになんかおいしいおみや買って、早く帰ってこいよな。
おで、おうちでリンくんのこと、待っててやるからさ。
ずっとおでの耳の奥でぴぴぴぴぴが聞こえ続けている。ハァ、落ち着かないイチニチだ。
ぴぴぴぴぴ
ボブぞ