たてがみと月夜のパレット
今宵はピンクムーン。
4月の満月のことを、そう呼ぶらしい。
雨雲を連れてくる強烈な春風に吹かれて、
おれはみどりテラスでひとり、ひとところに留まることができずにいる。
ゆらゆら、ゆらゆら
ゆさゆさ、ゆさゆさ
ごおごお、ごおごお
ぴうぴう、ぴうぴう
はっきりとした輪郭の光の塊が、南東の空にあらわれると、
おれのたてがみの色が、月夜のパレットの上で混ざり合わさってゆく。
赤。黄色。青。緑。
絵の具でも、色鉛筆でも、カラーペンでも、絶対に入ってる色だ。
お日さまの光の下ではそうやって表現されるけれども。
どうだい?今のおれのたてがみは、何色かな?
ピントの合った、当たり前の写真は当たり前にすてきだけれども、
月夜に空を見上げる、不安定なライオンのココロをあらわすかのような、
とらえどころのない、ぐっちゃぐちゃーのぐっちゃぐちゃも、また良いものだ。
今宵はピンクムーン。
ボブお
※Rin注: 今夜はあまりの強風により、カメラを持つ手の手ブレを抑え込むことがかなわず、いい感じにボブおがゆさゆさしております