悪い夢

ボブぞ、だめだよ。リンくんから離れちゃだめだからね。

いじめっ子になんて絶対、渡さないよ。絶対、私が守る。

目が覚めて、私の横でスゥスゥと眠るボブ三の平和な横顔を見て、手をきゅっと握って、そう誓った。

なぜだか飲みの集まりにボブ家を連れて行ったらしい。

覚えているのはそこから。コロナっちゃんが流行る前の、大人数での居酒屋わちゃわちゃ飲みだ。誰かの送別会だったのかもしれない。なんなら、私自身の送別会だったようにも思う。いずれにしても、ボブ家をその飲み会に連れて行って、一緒に飲んで騒いでいたようだ。

お開きになった、その帰り道。駅までみんなで歩いていたのだと思う。歌舞伎町っぽい、夜の繁華街だ。いじめっ子みたいな意地の悪いオッサンに、ボブ三が急に奪われた。あれよあれよと私から離れて行ってしまって、モノみたいに雑に扱われて、ぶんぶん振り回されている。みんな酔って超ハイテンションだから、なおさらたちが悪い。私だって楽しくみんなで飲んで上機嫌だったはずだ。なのに、とっても悲しい気持ちと、ボブ三を助けなければという焦りとで、目の前で起きていることに頭と体がついていけていない。しかも、相手は背の高い、ガタイの良い、意地の悪い、オッサンだ。ひどすぎる・・・。

ぐんぐん繁華街を歩いていると、その意地悪いオッサンが、また知らないどこかのオッサンらに絡まれている。その手には、やはりボブ三がつかまれている。

やいのやいのと知らないオッサンまで巻き込んで笑っている。笑っているからどうやら喧嘩や因縁ではないことはわかった。でも、私のボブ三が、そのオッサンの手の中にいる。

すでにボブ三は、表情を失っていた。悲しいも、怖いも、怯えも、すべて、失われていた。感情を殺して、ただただ、抵抗もできずに、うなだれているように、見えた。

私は、そいつに対して、ものすごい剣幕で怒ったのだけれど、怒鳴り散らしたその瞬間、違う、人を信用してこんなところに大切なボブ三を連れて来てしまった自分がいけないんだ、とわかったのだった。

自分の馬鹿さ加減が悔しくて、悲しくて、とにかくわめき散らすしかなかった。

その後、どうやって解決したのかはわからないけれど、目が覚めて、とても嫌な気持ちだけが残った。

フゥ・・・。夢で良かった。でも、とても嫌な夢だった。

みんなことをは、私が守る。ちゃんと、守るんだもんね。

そして、いつか、ボブ三がオトナのライオンになったら。

いつか、一人前のオトナのライオンになったら、

嫌なことは嫌だ、やめてって、自分で言えるようになるかな。

リーンくーん、そんなギュウギュウハッグしたら苦しい、いやんいやん、

っていつも私に言うみたいに、

知らない人にもちゃんと意思表示して、自立して生きていけるようになるのかな。

カラダもぐっと大きくなるのかな。顔つきももっと精悍なオトナのライオンになるのかな。

いつか、いつか。

ボブ三、だいすきだよ。ずっと見てるよ。だから、ずっと見ていてね。

リン

” ずっと見てるよ。だから、ずっと見ていてね。”
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Rin(リン)

ぬいぐるみブロガー、Rin(リン)です。 ライオンのボブ家と愉快な仲間たち、そしてニンゲンのケンイツ園長と一緒に、みどりキャンプ場で暮らしています。 ボブ家の日常を、彼らの視点でつづっていきます。

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