晴れた晴れた
ハーレッタハーレッタ。ようやく晴れた。
ハーレッタハーレッタ。ようやく晴れた!
だいすきなみどりテラスで、コロンコロン。
だいすきなボブぞといっしょに、コロンコロン。
おまけにリンくんついてきた。
となりでグウタラと本を開く。
こんな風の温度ったら、きっとなかなかないだろう。
今日はサイコーにここちよしな爽やかさなのだよ。
おれは鼻をクンクンにして。耳をキュンキュンにして。季節を楽しむのだ。
ひと月前とは全然違うの。
カラスが元気に電柱の上から飛び立った。
セミはもうなんだかそれはか細い声で、さみしげにひと鳴きしている。
遠くの方で、かすかに、ニャァ。と聞こえた。
ん?ネコかぁ?
おれらには、クンクンの鼻とキュンキュンの耳がある。
近くで甘じょっぱいおかずを仕込む香りがしてきた。
日暮れが早くなったからな。
うちの今夜の晩メシはなんだろな?
おれの心配をよそ目に、リンくんはまだ本をグウタラと開いている。
ねえ、ちゃんと読んでるの?
クスス。
リンくんのほっぺがニヤリとした。あ、読んでるのね。
パーッという軽い羽根の音とともに素早い小さい粒粒が眼下にみえた。ヒヨドリだぁ。
なんであいつら、集団行動なんだろうねぇ。パーァッってきて、芝生をツンツンツンツンして、またすぐにみんなで飛び立っていった。
季節の変わり目。
ハーレッタハーレッタ。ようやく晴れた。
ハーレッタハーレッタ。ようやく晴れた!
セミが鳴きやんだ。今日はもう日暮れだからおしまいね、なのか、ついに力尽きたのかのかはわからない。
その代わり、リュリュリュリュリュが聞こえてきた。
風の温度も随分と下がった。気がつくと、さっきまで半袖Tシャツ1枚だったリンくん、上にスウエットのパーカーをはおって、首元までジップをあげている。
るーんるんるーんるるんるーんるんるーん🎵
くぉどもたちは・・・おうちに・・・かえりましょう・・・
オッケー。おれらも風邪ひく前に、部屋はいろ?
クンクン。
ボブお