桜の山小屋のこと
丸2日間テレビの前でリモコンの番人してます。
ころすけです。
今日は、キンキラキンキラごーるでんうぃーくの真ん中の日。本当なら、オハナ全員で楽しいことしておいしいもの食べて遊んでるはずなんだけども。
リンくんと、ふたりぼっち。つまらない。あぁ・・・本当に、つまらない。
それに、とっても、さみしい。
リンくんでさえ、遊んでくれない。カンゼンホーチ、とはこのことだ。
うー、とか、あー、とか、ぶつぶついいながら、朝早くからパタパタやってたリンくん。缶ビールをぐびぐびやりながら、ほこりを払ったり、ゴミを大量にまとめたり、忙しい。
そんな姿を横目に見ながら、できるだけ邪魔しないように、できるだけひっそりと、テレビの前のスペースだけは確保してた。
なのに。リンくん、急に、ばたっと、わっしのいるテレビの前に倒れこんできた。
エー・・・。
もう・・・。仕方ないから、リンくんの足もとにいます。腰と肩をさすりながら、あいたたた・・・ってなってる。
蹴られないよにしないと、、、こわ。
ふぅ。
桜の山小屋を閉めることにしたって、リンくんから聞いたのはひと月前くらい。この連休は、そのお片付けのために、リンくんとわっし単独の山ごもりなの。
桜の山小屋、とボブ家では呼んでるけどね、まぁ、一般的なことばでいうと、小さなワンルームなの。間口が妙に狭くて、縦に細長くて、小さな、謎のマンション。新しくもないし、古すぎることもない。
この街は、都会ってわけでもないし、下町でもない。鉄道の駅はほど近くにあって、幹線道路も近い。でも、各駅しか止まらないし、夜は救急車やらの音が響くものだから、便利で住みやすいとは言いがたい。建物はとっても風に弱くて、台風や嵐のときには、地震並みに揺れる。せめて商店街があればまた風情もあるだろうに、そんなものはない。
唯一といってもいい特徴は、桜並木が美しい、ということ。特にお気に入りの一本が、このマンションのはす向かいにある。桜の季節になると、その一本が咲かせる最初の一輪を探すのが、楽しみだった。
そんな街の片隅にある、小さな部屋。まるで、桜の木の上の隠れ家みたいな場所。
だから、桜の山小屋、と命名したんだってさ。
でも、そんな山小屋とも、もうお別れ。
おつかれーっした。
あざーっした。
って、まだ片付け終わってないし。あーあ、ぐぅぐぅ寝息立ててるよ。
おーい。・・・リンくん、ねぇ。ちょっと休憩したら、またがんばろね。
そのあと、一緒になんかメシしようよ。わっし、ハラ減ったよ。
グゥ・・・・・。
ころすけ