ガッチャガッチャ アッチャラッカ ガッチャラカ ホイっ!
ガッチャガッチャ アッチャラッカ ガッチャラカ ホイっ!♪
ホイっ!
ホイっ?
「ン?あれ?出てこない・・・。」
「んあー?まったく・・・リンくんらしいのぉ。店員さん呼んできなよ。」
手元には、すでにタコとイカと神さま。全4種類のうち残るはタヌキなのだけれど、お金を入れて回したはずなのにカプセルが出てこなかった。
こんにちわーに。ライオンのボブぞです。
今日はね、リンくんと一緒に駅前のショッピングモールのゲームコーナーにいるの。
平日の夕方、買い物ついでに寄ってみたら・・・、あった!あったんだよ!
え?何がって?
あのねー、リンくんと天王洲まで見に行った彫刻家、田島享央己氏のお彫刻ガチャがあったんだよ!
(田島享央己氏の展示会へ行ったお話はコチラ → 「白いねこは白くない。天王洲のアチャラカ世界に引きずり込まれる」)
普段ガチャガチャコーナーを眺めることはあっても、まずやることはしないリンくん。やり始めたらキリがないし、飾る場所にも困るし、ってわけで、ほーとかへーとかつぶやきながらミニチュアものに興味は示しつつもね、手を出さないんだよ。
それなのに。それなのに。
このお彫刻ガチャだけは話が別なのだという。もしもホンモノのお彫刻を買おうとしたら、数十万円だとか、それくらいする美術品なわけです。だけれど、このガチャなら1回500円、全4種類集めても、ミニマム2,000円。
「欲しぃ・・・!!!うー・・・!欲しい・・・!」
まさかチーバの郊外の駅前のショッピングモールで見つけられるとも思ってなかったから、不意打ちだったよ。見つけた瞬間、リンくんお財布の中身を確認して、そのまま両替機へ直行した。
じゃらじゃらじゃらじゃら・・・
「あ!リンくん、やるの?」
「やる!やります!やったるで!」
口調がおかしくなるくらい、コーフンしてるらしい。横からのぞいてみると、もう半分くらいは減っている。けれど、全種類残っていることを願って、ガチャをまわしたってわけだ。
1回目。
ガッチャガッチャ アッチャラッカ ガッチャラカ ホイっ!♪
「お。タコ!いいね。」
ちなみにここで補足しておくけれどね。「アチャラカ」っていうのは田島享央己氏のコンセプトのひとつのコトバなんだよ。それでリンくん、ガチャガチャと「アチャラカ」をかけた謎の願掛けの歌を口ずさみながらまわしてるのよ。
2回目。
ガッチャガッチャ アッチャラッカ ガッチャラカ ホイっ!♪
「おぉ、イカー!」
3回目。
ガッチャガッチャ アッチャラッカ ガッチャラカ ホイっ!♪
「神さまだ!やったー!かぶらずココまで来たねぇ・・・!残るは・・・タヌキかぁ。」
4回目。
ガッチャガッチャ アッチャラッカ ガッチャラカ ホイっ!♪
ここで、カプセルが出てこなかったってわけさ。
「スミマセーン。あのー、ガチャガチャ回したんですけど出てこなくって。」
「あ、いま鍵を持っていくのでお待ち下さい。」
リンくんはクレーンゲームコーナーで調整をしていたお兄さんに声をかけて、ガチャガチャの機械を開けてもらった。
ゴロン・・・!
「あー、引っかかっちゃってたみたいっすね。ドゾー。すみませんでした。」
「あ、どうもありがとうございましたぁ。・・・あ、、、神さまかぶった。」
店員さんが去って行って、もう一度、タヌキを望みながら回す。
5回目。
ガッチャガッチャ アッチャラッカ ガッチャラカ ホイっ!♪
ホイっ!
ホイっ?
「あ・・・また出ない。。。」
焦るリンくん。二度も連続で出ないなんて、、、と思ってうろたえていたら、その様子を店員のお兄さんが見守ってくれていた。
「あー、また出ないですか?ちょっともう一度見てみますねぇ。」
お兄さん、仕事だから当然といえば当然かもしれないけれど、面倒くさがらずにちゃんと開けてくれた。
ゴロン・・・!
「んー、また引っかかってたみたいです、ちょっと引っかかりやすいんですかねー、スミマセン。ドゾー。」
「あ・・・ありがとうございました・・・って、うわっ!また、神さま。ある意味引き強い・・・。」
「大丈夫そっすか?閉めますねー。」
「あのぉ・・・まさか交換なんて・・・できませんよね?」
「あぁースミマセン、さすがにちょっとそれはできないんです。」
「でぇすよねー。すみませんでした。」
スチャ
店員さん、鍵をかけてまた去っていった。
「ボブぞぉー!次こそ、タヌキ!」
「タヌキの呪いだな。むしろ神さま3体って、すごいんじゃないの?」
「それもそうだけど。でもこれじゃ帰れないよー。」
リンくんが財布をゴソゴソ見ると、100円玉が足りないらしい。
じゃらじゃらじゃらじゃら・・・
「いま1,000円札最後だから、コレでもう出なかったらやめる。」
6回目。
ガッチャガッチャ アッチャラッカ ガッチャラカ ホイっ!♪
「出たーーー!タヌキ出た!出た!やったー!」
フゥ・・・これで4種類コンプリできたってわけです。
そして、いま、撮影会が始まったよ。帰りに100均でコレクションケースも買ってきてね、4体並べてはいろんな角度から撮ってるんだ。
「むふーん!結局3,000円かかったけど、でもうれしいぃー!ひゃっほう!田島享央己のお彫刻が自分のデスクにあるの、いいじゃん。こないだ本も買ったし。ホクホクするぅ。」
ジィーッ
おでもさ、天王洲でホンモノのお彫刻見てきたからさ、なんかこの4体のそれぞれの愛らしさってのはわかるんだよ。もちろんホンモノはさ、木製で彫った痕もハッキリとわかるし、色味も複雑だしね、そもそもサイズも大きいんだけれど。それでもね、プラスチックのミニチュアだとしても、この造形を眺めていられるってのはいいもんだなぁって、思うよ。
いつか田島享央己さんのホンモノをコレクションできるといいなぁ・・・という気持ちはココロの奥底に秘めておこうと思う。
ガッチャガッチャ アッチャラッカ ガッチャラカ ホイっ!♪
ボブぞ
田島享央己 公式ホームページ
https://gallery-ug.com/artists/takaokitajima/
「田島享央己のお彫刻コレクション3」 スタジオソータ 公式ホームページ内
https://www.so-ta.com/series_detail/creator/tajima_takaoki/
「イカピエタ(パンダ)」、「ゼウス(イエロー)」、「タヌキ」、「饅頭を二つに割る蛸」(全4種)
田島享央己 著 『シドロモドロ工作所のはじめてのお彫刻教室』、河出書房新社、2023年
https://www.kawade.co.jp/sp/isbn/9784309292847/
「白いねこは白くない。天王洲のアチャラカ世界に引きずり込まれる」
https://bobingreen.com/2023/11/10/6908/