お日さまのサンちゃんのこと
シュッシュッシュッシュ・・・
シュッシュッシュッシュ・・・
「ンー?リンくん、朝もはよから、何描いてるの?」
「あ、起こしちゃった?ころすけ、おはーに。」
シュッシュッシュッシュ・・・
「おぉ。久しぶりになんか描いてると思ったら、バースデーカードかぁ!」
「そうそう。今日はママちゃんのお誕生日祝いするでしょ?」
「んだなぁ。それで、サンちゃんもってことね。」
「そゆこと。」
シュッシュッシュッシュ・・・
「でーけたっ!見て見て!」
どれどれ???
「お。なんとなく似てるんじゃね?描けてる描けてる。」
「じゃ、晩ごはんのときにこのカードをプレゼントに添えて渡すよ。」
「任せろやい!」
おっす。おれ、ころすけっす。
今日はこれからリンママちゃんに会いに行く。いや、正しくは、リンママちゃんがチーバにわっしらに会いに来る。お誕生日祝いのささやかなひとときをチーバでおもてなしするのだよ。
リンママちゃんは5月生まれ。ついでに、サンちゃんもリンママちゃんと同じ誕生日だ。
サンちゃん、というのは、リンママちゃんがカンレキってやつのときにリンくんがプレゼントした、耳のおっきなフワフワのウサギさんのお名前だよ。太陽のSunちゃん、だ。
ちゃんと毎日食卓で一緒にゴハンを食べたりテレビを見たりして過ごしてくれてるみたいでね。今ではすっかりリンママちゃんの大事な相棒なんだ。おれは年に数回会いに行くくらいなんだけどさ、ピンク色のお鼻とおっきなお耳、それから優等生チックなシャキッとした姿勢で、このオッサングマを迎え入れてくれる、結構いいヤツなんだ。
「今日はサンちゃんは来るの?」
「あはっ。さすがに来れはしないだろうねぇ、ちょっとおっきいもんね。」
「そうか。じゃあ、サンちゃんの代わりに、おれがリンママちゃんのこと、ちゃんとエスコートするからな。一人前の大人グマとして、おつとめ果たしますよ!」
「今日はよろしくね、ころすけ。」
リンくんは描き終えたバースデーカードを大事に封筒にしまって、それから、プレゼントと一緒に包装紙に入れて、リュックに詰め込んだ。
「ほら、じゃ、出かける準備しなくちゃ。ころすけも入って?」
「お。おう・・・!」
わっしはいつもの黒いリュックの中に、ノコノコと歩いて入っていった。
オハナ(家族)を祝えるって、いいよな。リンママちゃんが喜んでくれたらいいなって、おれも念を込めた。
さぁ。朝8時。
今日もいいイチニチにしようじゃないか。お日さまのサンちゃんが今日も笑うね。
ころすけ
*Rin注: 年齢部分は塗りつぶしております