ちっちゃいオジサンぐまに出会った

ゴロオです。

みどりキャンプ場には、奥のひみつの部屋がある。

これまで、十年もの間、物置部屋として締め切られていたのだけど、ひょんなことから大掃除することになった。

ねぇねぇ・・・変な動物やら変な虫やら、変なオジサンやら、いないよね・・・?

そんな話をしながら、片づけをしていたケンイツとリンくん。

案の定、というべきか、否か。

あるーひ🎵(あるーひ🎵)
おくのへや🎵(おくのへや🎵)
くまさんに🎵(くまさんに🎵)
であぁった🎵(であぁった🎵)
カビくさーいおーくーのーへーやー🎵
くまさんにーであぁったー🎵

ちっちゃいオジサンぐまに、出会った。リンくんの手のひらよりも小さい子が2人、もの薄暗い、埃っぽい部屋で、ひっそりと、暮らしていたのだ。

あー!こいつらかぁ。えーっとね、これはね・・・。

ケンイツが話し始めた。

ケンイツエンチョーによれば、ずいぶんと昔に、でっぶりしたオランダ人のオッサンが日本に来た時に、お土産に、みんなにくれたんだそうだ。

すっかり埃をかぶっちゃってる。

みどりキャンプの物置部屋のラックの上を拠点に暮らしてた2人。

たぶん、おれらがやってくる、ずっと前から、いた2人。

言葉、話せるのかな?オランダから来たっていうから、日本語じゃダメ?オランダ語でこんにちはってなんていうんだろう。ハテ・・・・?

押し黙っている2人。でもどうやら2人でひとつ、みたいな感じで全然離れない。ひとりはシロくまとで、もうひとりはクロくまだ。シロくまのほうは茶色い鼻がちょっとヨーロッパっぽい雰囲気を出している。クロくまはというと、同じく茶色い鼻に加えて、耳や手足の先も茶色いのだ。

ほう・・・。なかなかシャレたくまだなぁ・・・。

おれらは彼らとどう接すべきか、数週間もの間、戸惑っていた。気になるたびに、代わりばんこに彼らの様子を見に行った。まるでモノのように表情を見せず、埃っぽいままの姿だが、相変わらず、2人はぴっとし離れなかった。

そんなある日、オハナのリーダー、ボブおさんが、彼らに会いに行った。まぁ、いわゆる、最終面接ってやつだ。

何を話しているかはわからなかった。何語で話したのかも、わからなかった。ずいぶんと長い時間、話して込んでいたみたいだった。最後、合意した様子だった。

今日から、オハナね。どうぞ、よろしくおねがいします。

まず、お風呂、入ってね?

” ずいぶんと長い時間、話して込んでいたみたいだった。 “
“ジーっ・・・ボブぞ、気になるのね・・・”
“今日から、オハナね。よろしく。”

そうそう。いつもボブおさんは、リンくんに口を酸っぱくして言っていることがある。

なぁ、なぁ、リンくん。オハナは勝手に増やさないで。もし気になる子がいたら、みんなで受け入れられるかどうか、話し合って決めるんだよ。いい?わかった?

ハイ、わかってます・・・。

オハナ、つまり我が家の一員になるためには、リーダーであるボブおさんと、ケンイツエンチョーの許可が絶対なのだ。

そうでもしないと、リンくんはあちらこちらで目が合った子たちに話しかけ、家に連れてこようとするからだ。

ついに、物置部屋のオランダぐまの2人は、ボブおさんの最終面接と、ケンイツエンチョーの許可を得て、オハナの一員になれることになった。今回ばかりは、エンチョーは許可もなにもない。もともと、エンチョーに連れられてきた子たちだからね。

ちっちゃいオジサンぐま2人。シロくまと、クロくま。名前は、まだ、ない。

とりあえず、風呂じゃぁー!

リンくんによる、渾身のあかすり大会。ごーしごーしごーしごーし。

どうやらちっちゃいから、すぐにきれいになったらしい。ぎゅうぎゅうドライするとかわいそうだから、と、ポタリポタリと水も滴るいいオジサンぐま、丸2日間、文字通り、干された。

”あかすり大会。ごーしごーしごーしごーし。”
“おまたから水がポタリポタリ。水も滴るオジサンぐま”

その間、名前を考えるのは、エンチョーの役目だ。

オランダかぁ・・・・。オランダっていうと、ヴァンホーテンだよね。ヴァンとホーテン、とかなぁ!

あ。そうなんだ?ヴァンホーテンってオランダなんだー。うーん、うち、ココア、飲まないよね。

そうだね、ココアが好きでもないのになぁ、ちょっとなぁ。保留して他も考えるかぁ。

リンくんとエンチョーが他愛もない会話をしている。オハナの名付け会議は過去にも何度も見ているが、いつだって、楽しそうだ。

ちょっとケンイツに質問してみた。

エンチョー、ところでさ、おれらの先輩なの?後輩なの?ドッチ?実際にはおれらよりもずいぶん長くこの家にいるっぽいんだけれど・・・。

おー、ゴロオ、お前さんのほうが先輩だ。うちは、先にオハナになった順番だよ、だから、お前さんが親分な。しっかり指導してくれよ。

ゴロオの子分だから、ムツゴロオとシチゴロオ。で、どう?5、6、7、ね。

あ、いいねぇ。いいねぇ。ドッチがドッチ?

とリンくん。

おうい、ムツゴロオ?

はぁーい。(クロくま)

おうい、シチゴロオ?

はぁーい。(シロくま)

ケンイツエンチョーが彼らを呼んでみると、どうやら、返事が返ってきたっぽい。

じゃ、決まり。

ケンイツエンチョーが、いつものごとく、そうやって、名前をつけた。

改めまして。

新入りの仲間、オランダ出身のムツゴロオとシチゴロオです。ムツゴロオがクロくま、シチゴロオがシロくまです。

彼らは物置部屋生活が長く、共同生活どころか社会経験がありません。すべてのものが新鮮なようです。そして、まだ言葉は話せません。

でもオハナ同士、意思疎通はできてますよ。

今後、どうぞよろしゅうに。

“Hallo!”

ゴロオ

“Hallo!!! 左: シチゴロオ(シロくま)、右: ムツゴロオ(クロくま)”

あるひ もりの なか
くまさんに であった
はな さく もりの みち
くまさんに であった

『森のくまさん』作曲: アメリカ民謡 作詞: 馬場祥弘
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Rin(リン)

ぬいぐるみブロガー、Rin(リン)です。 ライオンのボブ家と愉快な仲間たち、そしてニンゲンのケンイツ園長と一緒に、みどりキャンプ場で暮らしています。 ボブ家の日常を、彼らの視点でつづっていきます。

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