エンチョーの秘技
おで、今日はエンチョーと寝るぅ。
そう言ってみたら、ホントになった。
エンチョー、晩ごはんおなかいっぱいでテレビの前でゴロンした。ケンイツエンチョーはテレビの前のコルクを敷いた床のうえで寝るのが大好きだ。おでは、今日こそエンチョーと一緒にゴロンしようって思って、その横のクッションを陣取ったの。
グゥ・・・。
エンチョーの寝息が聞こえてきた。
イッヒッヒ。
そのすきに、いつものように、おでのことを寝室へラチしようとしたリンくん。おでは毎夜のリンくんの寝かしつけ担当なのだ。
ほぉら、ボブぞ、寝るならさ、一緒にリンくんとおフトン行こ?ね?エアコンついてて涼しいよぉー。おフトンふかふかで気持ちいいよぉ。ボブぞの専用の枕もあるでしょ、一緒にモーフにくるまって寝ようよぉ。
んあーん、いやぁだー!おで、今日はエンチョーと寝るって決めたのぉ。リンくん、いやだいやだ。いやだいやだもん。
そんなこと言わないで、ね?ほら、行くよー!
そうやって、おでのことを無ン理やり抱き上げた、その瞬間。
・・・リンくんの動きが止まった。
ハテ?
戸惑った顔したリンくん。
そぉっと、おでのことをもう一度寝かせてくれた。優しく。そして、モーフかけてくれた。
おやすみ。ボブぞ。
だって、エンチョーがおでのしっぽ、ふんでるんだもの。
エンチョーの頭の下に、おでのカラフルでふさふさのしっぽ、はさまれた。ギュッと、おさえこまれた。
まるでね、「ボブぞーが嫌がること、しちゃダメでしょ。」ってエンチョーが、リンくんのこと叱ってくれたみたいだった。
ケンイツぅ、重いーぃ。あうーん。
あーあ、こりゃおで動けないから寝室行けないわ、でへへっ!
リンくん、今日はおひとりさまで寝てね!
うん。おやすみ。ボブぞ。
ぷぅ。
あきらめ顔で、ひとり寝室へ行った。ちょっとさみしそうだけど、ちょっと笑ってた。
エンチョー、さすがっす!いつだってオハナみんなの平和で安全な暮らしを守ってくれてるのだ。
秘技、ぐっじょぶ!
ボブぞ