リンくん「絵を描く」! 第7回 — “ウモー”と”イッキュー”

「あー・・・もう最終回終わっちゃったね。」

「んだなー!課題、進んでる?」

「うん!週に1枚ペースでがんばってるよー。」

読者のみなさーん!
オッス!オラ、パブロヲ!

リンくんがNHK Eテレの番組「3か月でマスターする 絵を描く」の内容に沿って絵を学んでいくこのコーナー。全12回のうち、折り返していよいよ後半に突入したよ。

放送自体は2025年4月~6月の3ヶ月間だったから、今日時点(7月7日)ではもう最終回まで終わってしまった。オラのレポートがまたしても滞りがちではあったのだけれど・・・、その間にもリンくんは着々と課題を進めているぞ。最後までちゃんと紹介していくからお付き合いくださいね。

第7回 犬と猫の違いでわかる!リアルなペット

前回は人物の全身をバランスよく描くことがテーマだったけれど、今回はどうぶつ!犬と猫を描くらしいぞ。

ニンゲンのときと同じように、やはりどうぶつにはそれぞれそれらしいバランスというものがあって、犬と猫ではそのバランスが異なるらしい。

「犬の顔は四角い箱」

まずはワンちゃんから。
テキストを手元に開きつつ、柴崎春道先生が放送で話していた内容を思い出しながら描いていくリンくん。

いつも通り、まずは鉛筆で下絵!・・・といっても、どんどん下絵の重要度が増してきたよね。ココでしっかりバランスを決めておかないと、絵の具で塗っても修正が効かなくなっちゃう。

「えーっと、ワンちゃんの顔は箱で表現するんだって?へぇ!えーっと、目の位置がこのあたり。んで、ほうほう、耳は三角。胸板は厚く腰は細い、へぇーワンちゃんのカラダってこういう感じなのかぁ。」

今回のお題のワンちゃんは柴犬。オレンジがかった赤茶色と白い毛のコントラストを上手に出していきたいよね。下絵を描き終えたリンくんは、ニョロニョロとパレットの上に絵の具を出し始めた。

「おっと!なぁなぁリンくん、赤茶色の柴犬に、青や紫の絵の具を使うわけ?」

オラ、不思議に思って、思わず横から口を出してしまった。

「うんうん。パブロヲ、リンゴや樹木の回で学んだでしょ?暗い部分は寒い、つまり、影の部分は寒色を使って表現するんだってよ?ね。」

おぉぉぉー!リンくん、覚えてる!オ・・・オラは・・・えーっと我が家のゲージュツガクブ(芸術学部)の部長として、リンくんに確認してやっただけだもんね!忘れてたわけじゃないもーん・・・ね!

「お、オウ。よくできました。よぉし、んじゃぁ暗いところから塗るんだろ?」

光のあたっていない影の部分、つまりワンちゃんのカラダの左の方やおしりを暗い目の紫っぽい色やグレーで塗っていく。

一方で、日なたにある顔の毛はハッキリとしたオレンジ色で表現していく。

うぅむうぅむ。黙り込みながらドンドン色を重ねていくリンくん。

「はうーん、このフッサフサのしっぽのところ、どうやって表現したらいいんだろなー。うーん・・・。」

柴犬の太くて長いしっぽをどう描いていいかわからないらしい。テキストにのっている先生のサンプルを見ても、あまり細かく描いている様子はなく、ちゃちゃっと暗い部分と明るい部分を塗り分けている感じが自然すぎて参考になりにくい。

「む・・・ムズイ・・・。」

んーこんなもんかぁなぁ・・・と半分あきらめ顔で一旦しっぽから離脱することにした。

いよいよ、肝心要の、お顔。
下絵でつけておいた目の位置は毛の色を塗り込んだことによってすっかり消えてしまっている。目も鼻もあまり大きく描きすぎないように、細い丸筆に持ち替えて、ちょん、ちょん、と黒で描き込むリンくん。

「おわー!目と鼻と口が入ったら、めっちゃワンちゃんらしくなった!あれ、それっぽく、見えるね?おぉ!おぉー!命が吹き込まれた感じがするよ!」

わぁいわぁい、とリンくんとハイタッチをして、はじめてのワンちゃんの絵から生命力を感じられたことを喜んだ。

かんせーいっ!

作品はコチラです。

“第7回課題 その1 「犬」 By Rin画伯”

下絵を描き始めてから、約3時間で完成したよ。

「うんうん、それっぽくは見える、見える。」

オラがコメントすると、リンくんは気になるポイントがあるらしい。

「いやぁ。。。しっぽに意識をしすぎて、先生の描いたテキストに載ってる作例よりも全然しっぽが大きい。あと、おしりもプリッと、なんか後ろ脚が太いというか。」

「んー。まぁ、比べれば、そうだね。なんだか健康優良児な感じの柴犬だね。」

「ま、ガリガリよりは、いっか。」

「猫の顔は球が3つ」

さぁワンちゃんが描けたところで次はネコちゃん。

リンくんの集中力が持つわけもないので、別の日に改めてチャレンジしたよ。

「なぁるほどね、犬と猫では全然バランスが違うのか。ワンちゃんは顔を四角で表現したけれど、ネコちゃんは丸。ボールが重なっているようなカタチになっているんだね。」

このEテレ「3か月でマスターする 絵を描く」は番組内の柴崎先生の説明はもちろんのこと、テキストもよく構成されていて、限られたページのなかでもわかりやすいコトバでポイントを抑えてくれるんだ。

「猫は猫背。うん、知ってたけど、そういうカーブなんだねぇ!ほうほう。」

今回のモデルのネコちゃんはキジトラで縞模様があるのだけれど、下絵の段階では一切描かなくてOKだって。

「ヨシ、下絵はこんなもんかな?」

ワンちゃんのときと同様、暗い部分から塗り始めるよ。茶色っぽい青を作って、影になっているおしりの方から色を重ねていく。

それから、光の当たっている顔の毛は、なんとピンク色で塗るらしい!

「だってテキストにそう描いてあるもん・・・!まさかネコちゃんの顔をピンクで塗るとは・・・。」

このあたりまではワンちゃんの応用だから、順調、順調。

「フゥー。さてっと・・・。」

大事な目と鼻を描いていくのだけれど・・・。

「うっわ・・・!ワンちゃんよりも目が大きいから難しいよ!」

白目の部分が大きいから、黒目とのバランスにかなり慎重になっているリンくん。アイラインも、恐る恐る、なれない手つきで線を引いていく。

「むふぅ・・・、それから・・・縞模様か・・・。こりゃあ、大変だ。」

どうやってそれっぽく見せられるのか、柴崎先生はかなり大胆にも見える筆使いで、ネコちゃんのカラダに模様を入れていっていた。
果たしてリンくんにそれと同じことができるかどうか・・・。

「できるわけはなぁぁぁぁい!」

縞模様に関しても、暗いところは濃い青を足す、明るいところは赤みを足す、などテキストに丁寧に記載してくれているのだけれど、いかんせん素人には加減ってものがわからない。

「うーん・・・ドコが明るくてドコが暗いのか、わけがわからなくなってきたぁ・・・!パブロヲー!助けてー!!!」

うーぅむ、オラに言われても・・・。

苦戦を強いられたネコちゃん回。ワンちゃんよりも圧倒的に難しかったらしい。それでも約3時間が経過したところで、ギブアップすることにしたらしい。

「なんだろ・・・めちゃくちゃ色を重ねてキジトラを表現してみたつもりだけれど、なんか派手派手な感じになっちゃった。」

「あ。最後に大事なヒゲを描かなくちゃだよ。」

「うんうん、そうなんだよね、全部塗り終えて最後の最後、コレが待ってたのよね。」

このネコちゃんのヒゲ。柴崎先生の作例では、ペインティングナイフを使って直線で描く、ということになっているんだ。

道具を買い揃えるときにペインティングナイフも1本用意してあったリンくん。だけれど、使うのは今日が初めてだ。

“人生初のペインティングナイフ”

「よぉーっし・・・!コレで最後失敗しても・・・もう、仕方ない。でも、ネコちゃんのヒゲを生やさせて、生命を与えようじゃないか!」

ナイフのエッジの部分に薄く絵の具をつけて・・・。

えいやっ!
えいやっ!

・・・お?なんか一応それっぽく直線になった!

ア、ソレ、えいやっ!
もいっちょ、えいやっ!

一度描き始めてしまうと面白くなってきたらしく、リンくんはなにかブツブツとつぶやきながら、何本も何本もネコちゃんのヒゲを重ねていった。

「はーっ・・・!こんな感じでどでしょ?」

とにかく、無理やりだけど、ネコちゃん完成!

作品はコチラです。

“第7回課題 その2 「猫」 By Rin画伯”

「なかなか目つきの鋭い感じのネコちゃんだぁね?オラ、もしかして、狙われてる・・・?」

「アッハハッ!いくらパブロヲが鳥さんだからといって、さすがにネコはハシビロコウは狙わないと思うよ?」

「あ、うーん。なんか、でも、オラ、殺気を感じる・・・。。。」

「パブロヲが殺気を感じるってことはさ、生命力あるように見えるってことでしょ?わぁい、それなら、まぁ及第点かな?良かった、良かった!」

ふふ。自己評価の甘いリンくんだけど、まぁ、笑顔で絵を描き終えられたならよかったよね。

だって、「絵は楽しい!」のだからね。

猫と犬の絵に名前をつけてやる — “ウモー”と”イッキュー”

ジィーッ・・・

おシゴトから帰ってきたケンイツエンチョー、居間のテレビの横で乾かしていた、出来上がった2枚の絵に目を留めた。

「フーン。ほー。犬と猫かぁ!・・・ケツ、でっけーなぁ。リンくんの描く絵はニンゲンもどうぶつも、なんだかケツがデカくなるのな。なんで?」

「うぅーわかんないよぉー!っていうか、あ、いや、わかる。理由は、わかるんだ。下絵の時点で鉛筆で描いた線をね、色塗っているうちにどんどんはみ出していっちゃうんだよね・・・。だから、気が付くと脚も太くなるし、プリケツになっちゃう。」

「ハハッ!もう、リンくんはプリケツ専門画家ってことでいいんじゃね?」

「意図したわけじゃないんだってばー。」

(前回のニンゲンのプリケツのお話はコチラ → 「リンくん『絵を描く』!(第6回)」

そして。
そーか、うぅむ・・・、とケンイツエンチョーは猫を眺めながら、しばし考え込んだ様子を見せた。

「うちの近所には”ヌケサク”と”シロ”がいるからね。お前さんにも名前をつけてやるよ。カラダがモコモコしてフェルトみたいだから、なんか、”ウモー”っぽい。羽毛、だけど、カタカナで、”ウモー”。」

どーでもいい話だけれど、余談。
“ヌケサク”と”シロ”というのは、どちらもうちの団地に住み着く野良猫のことだ。どこかの部屋の住人がエサを継続的にあげているらしく、ペット禁止なのにもかかわらず、アチラコチラをウロウロと我が物顔で暮らしている。それぞれの名前はケンイツエンチョーが勝手につけてそう呼んでいる。

(”ヌケサク”は、三毛猫。以前うちの愛車のボンネットの上でゴロゴロ寝ていたのをみつけ、抜け毛がびっしりとついていたことから”ヌケサク”になった。”シロ”は文字通り、白猫。)

話題はリンくんの描いた猫と犬に戻る。

「ねーねー、んじゃ、犬のほうは?」

リンくんがケンイツエンチョーに質問すると、すかさず答えが返ってきた。

「”イッキュー”。野球の球で、一球ね。なんか球っぽいだろ?」

「ほ?球?」

「そう。一球入魂の一球。ホントはさ、最初はまぁ”太郎”っぽいと思ったんだけど。野球選手のイチローんとこのワンちゃんもイッキューらしいしな。あ、一に弓で、字は違うけど。」

「へぇ。んまぁ、たしかにイッキューっぽいかな?うん、いい名前、もらったね。」

「そうさぁ。”ウモー”と”イッキュー”。せっかくだから、このまま壁に飾ればいいんじゃん?」

そんなわけで、我が家の居間には、ワンちゃんとネコちゃんが増えました。

ふふ。

自分で絵を描いて、自宅の壁に飾る。
その絵について、家族とあーだこーだおしゃべりして、笑顔が増える。

こんなシンプルなことがとても楽しく、なんて素敵なことなんだろうと思える。

オラ、我が家のゲージュツガクブ(芸術学部)部長として、これからもゲージュツ推進していくぞ!

さぁ今回も、うちのリンくんは無事に課題を終えることができました。

せーのっ!

「絵は楽しい!」

さぁ、次回もお楽しみにー!

パブロヲ

3か月でマスターする 絵を描く Eテレ
https://www.nhk.jp/p/3months-ewokaku/ts/XK15MY1YJG/

▼リンくん「絵を描く」!アーカイブはコチラ▼

「リンくん『絵を描く』!(第1回 & 第2回)」
https://bobingreen.com/2025/04/28/13524/

「リンくん『絵を描く』!(第3回)」
https://bobingreen.com/2025/05/12/13675/

「リンくん『絵を描く』!(第4回 & 第5回)」
https://bobingreen.com/2025/06/13/14188/

「リンくん『絵を描く』!(第6回)」
https://bobingreen.com/2025/06/17/14302/

▼パブロヲの名前の由来のお話はコチラ▼

「命名パブロヲ – 『コート・ダジュール』に憧れて」
https://bobingreen.com/2024/02/22/8316/

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Rin(リン)

ぬいぐるみブロガー、Rin(リン)です。 ライオンのボブ家と愉快な仲間たち、そしてニンゲンのケンイツ園長と一緒に、みどりキャンプ場で暮らしています。 ボブ家の日常を、彼らの視点でつづっていきます。

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