すずちゃんの野鳥にびっくりでSHOW – 番外編 国立科学博物館 「鳥」展でワクワク大興奮

パタパタパタパタ!

オトモダチのみなさーん、こんにちわーに!

鳥さん大好き、ウサギのすずこと、鈴之助です。

さぁー今日も元気にいってみよー!

せーのっ!

「すずちゃんのぉぉぉぉぉっ野鳥にびっくりでSHOWぉぉぉぉぉっ!」

・上野「国立科学博物館」で開催されている「鳥」展へ

今回は番外編!

トーキョーは上野にある国立科学博物館(通称: 科博)で開催されている特別展「鳥 ~ゲノム解析が解き明かす新しい鳥類の系統~」(以下「鳥」展)にやってきたよ。

鳥さん好きなら見逃せない、まさに鳥さんだらけの展示なんだって!

この展示の開催を知ったのはなんと1年ほど前のこと。昨年2023年11月に開催されていたジャパン・バード・フェスティバル(JBF2023)の会場でパンフレットを配って宣伝していたんだよ。そのときから密かに楽しみにしてこの日を待っていたんだぁ。
(※JBF2023のお話はコチラ「すずちゃんの野鳥にびっくりでSHOW – 第10回 鳥さんのお祭りジャパンバードフェスティバル」

すず、上野の科博に来るのは初めてなんだ!
今日のメンバーはね、「すずちゃんの野鳥にびっくりでSHOW」アシスタント兼カメラマンのリンくんはもちろんのこと、ライオンのボブぞオヤビン(親分)とSuicaのコペンギンのハンペンも一緒だよ。

地下鉄を乗り継いで上野駅に到着したのは正午ちょっと前のこと。上野ってあんまり来ないけど、ニンゲンがいっぱい!大きなスーツケースを持った訪日外国人も多いし、ちびっこ連れのファミリーもいる。平日だというのに上野公園はとってもにぎわっているよ。

曇り空ではあるけれど、雨は心配ない感じ。すずたちは、テクテクと国立科学博物館を目指すよ。

モネ展でにぎわう国立西洋美術館の角を曲がってしばらく行くと、とっても歴史のありそうな石造りの建物が見えてくる。これが国立科学博物館で、今日の目的の「鳥」展は、地球館という別館で開催されているらしく、常設展とは入口が分かれていたよ。

「チケットはもうネットで買ってあるからね、並ばなくてダイジョブだからね。」

リンくんはそう言ってスマホを出すと、QRコードをピッとかざして、入館した。

・展示は全部で8章

会場マップを手に取り、全体像を確認するリンくん。

「んーっと。序章『鳥を知ろう』から始まって、第8章まであるって。ほうほう、起源や進化、つまり恐竜の話があって、そのあとは主に分類別に進んでいく感じだね。」

「すず、ワクワクするよー!ワクワクワクワクっ!」

展示会場で最初にお出迎えしてくれたのは、圧倒的な羽根の大きさと美しさを誇るクジャクさんと、鳥界のアイドルシマエナガちゃんだった。剥製がそのままガラスやアクリルに遮断されることもなく比較的間近で見られるから、細部までしっかり見ることができるんだよ。

以前行った我孫子市の鳥の博物館でも剥製の鳥さんはたくさん見たけれど、そのときはガラス越しだったんだよね。どうやらこのあと、たぁくさんの剥製が展示されてるというから、すず、とっても楽しみになっちゃった!

・ペラゴルニス・サンデルシに、びっくりでSHOW!

「・・・ン?なんだか大きないきものの気配がするよ・・・!ひゃぁ!」

ふと頭上を見上げると、これまでに見たこともない大きさの鳥さんが、翼を広げてコチラを凝視していた。

「ひぃー!おっきぃーい!リンくん、アレ、なぁに?」

すずがリンくんに質問すると、リンくんは近くの展示ボードを見て、教えてくれた。

「ペラゴルニス・サンデルシ、だって。」

「へ?・・・ぺらごるにす・・・なんですしっ?」

すずが最初に驚いたのは、第1章「鳥類の起源と初期進化」で展示されていた、とぉっても大きな鳥類模型だった。天井から吊るされているその姿は、重量感もさることながら、まるで獲物を狙っているかのような表情がとってもリアルだ。

このペラゴルニス・サンデルシ、というのは、約2,500万年前に実在したと思われる、巨大な鳥類の一種で、現在は当然ながら絶滅している種だそうだ。今回、この「鳥」展のひとつの目玉として、生体復元プロジェクトが行われたんだという。

「で、出来上がったのが、コレってこと?」

リンくんに質問をする。

「うん、そうみたい。アメリカ合衆国で見つかっている化石の骨格はもちろんのこと、さまざまな研究・分析の結果を検討して、このカタチが作り上げられたらしいよ。現代人は誰しも見たことがないわけだけれど、学術的に検証してコレ、ってなったんだね。」

「へぇーーー!翼を広げるとその幅7mだって?!すんごいでっかいんだね!そんな鳥さん見たことないよ!」

「そうそう。『史上最大の空を飛ぶ鳥類』だっていうからね。」

「あと、歯のギザギザも鋭いねー。」

「くちばしのなかの歯のような突起は実際には歯ではない(「偽歯」というらしい)けど、獲物のお魚を捕るときに便利だったみたいだよ。」

「アハッ!おさかな食べ放題だね!」

「あと、色についての説明があるよ。なになに・・・?化石には色が残らないから、生態が似ていた可能性のあるアホウドリのなかまを参考にしたらしい。たしかに、ピンク色のクチバシとか、羽根の感じとか、それっぽいかもー。」

「すんごいねぇ、研究者の人たちってすんごいねぇ!すず、びっくりだよー!ペラゴルニス・サンデルシ、覚えたよ!」

・ハヤブサはタカの仲間ではなくインコの仲間!

第2章「ゲノム時代の新しい系統と分類」では、ゲノム解析による最新の系統分析のことが示されているよ。学問的なことはすずには難しすぎてわからないけれど、世界に11,000種以上もいる鳥類、まだまだわからないことや新しい発見があるらしい。

「へぇ、すず、ハヤブサっているじゃん?タカみたいな猛禽類。ハヤブサって、タカよりもインコの仲間に近いらしいよ。びっくりじゃない?」

「エーッ!インコ?あのペットとしてよく飼われてる可愛らしいインコ?」

「うん、そのインコ。不思議だねぇ。だから、以前はタカ目ハヤブサ科だったのが、最新の分類では、ハヤブサ目、として独立したんだって。」

「ひゃぁー。すず、またひとつ新しいこと知っちゃった。ハヤブサはタカよりもインコに近い!すごくない?」

「うん、スゴイスゴイ!」

・推し鳥を探せ!

お勉強らしいお勉強はココくらいまでにして、そろそろ推し鳥さん探しをしたいと思うよ。この特別展では、数え切れないほどの鳥さんの剥製が所狭しと展示されていてね、なんと写真を撮るのもオッケーなんだよ(一部展示を除く、また、動画やフラッシュ撮影は不可)。

「すずねー、お気に入りの鳥さん探すの!」

「どんな鳥さんいるかなー?普段見られないような海外の派手な鳥さんとか見たいよね。」

「わぁ!リンくん、見て!見て!めっちゃペッカンペッカン羽根が光ってる!」

「ハチドリの仲間だって。えぇっとコッチはペルーに住むテンニョハチドリ。アッチはチャムネエメラルドハチドリで、やっぱり南アメリカ大陸に住むらしいよ。」

“テンニョハチドリ”
“チャムネエメラルドハチドリ”

「こんなキレイな鳥さんたち、うちにある野鳥図鑑には載ってないよねぇ。」

「アハッだって、うちにある図鑑は、日本に住む身近な鳥さんばっかりだもんね。」

「すず、貴重な鳥さんたちを見られてとってもうれしいなぁ!」

「あ、コッチのタイヨウなんとかチョウもめちゃキレイだよ!えーっと、ムネアカタイヨウチョウとノドアカタイヨウチョウだって。このコたちは東南アジアなんだね。」

「へぇ、キレイだねぇ、住んでる場所が違うけど、カタチもちょっと似てるね。」

“ムネアカタイヨウチョウ”
“ノドアカタイヨウチョウ”

「うん。種として縁がなくても、似た生活環境で暮らしているとおのずと似てくるらしいよ。南米のハチドリ、オーストラリアのミツスイ、それから、アジアやアフリカのタイヨウチョウはみんな花の蜜を吸うんだってさ。その結果、長いクチバシが特徴になったっていうことがあるみたい。」

「ふーん!不思議ぃ。他人だけどソックリさんってことだね!面白い!」

「ねー。学術的には『収斂(しゅうれん)進化』っていうらしいよ。いやぁ、ホント、これまで知らなかったことがいっぱい詰まってるね。」

・世界でいちばん美しい鳥さんケツァール!

展示も少しずつ後半に入ってきたけれど、まだまだ興味が止まらない。こんなにも多種多様な鳥さんたちに囲まれている空間は他にはありえないと思うんだよね。鳥さん好きのすずとしては、ダイコーフンしちゃうの。

「・・・キ?キヌバネドリ目?聞いたことないねぇ!」

「あれ?ねぇねぇすず、この鳥さん、ケツァールだよ!」

「え!ケツァール?!世界一キレイな鳥さんって言われてる鳥さんでしょ?」

「そうそう。なるほど、学術名はカザリキヌバネドリ、現地名でケツァールだって。」

「あ!すずね、知ってるよ!どっかの国の通貨にもなってるんだよねー!」

「お!さすが、すずちゃん、やりますねぇー!グアテマラの国鳥であり通貨の名前に使われてるって。」

「ひゃー!まさかすず、今日ココでケツァールに会えるだなんて思ってもみなかったよ。それにしても、緑色の羽根がゴージャスだねぇ!尾が長いねぇ!」

「世界一美しい鳥!さすがの貫禄だね。」

“世界一美しい鳥といわれるカザリキヌバネドリ(ケツァール)”

・フウチョウも美しい

分類ごとの展示をいちから見てきて、全44目のうち、ようやく最後の44番目スズメ目までやってきた。

「うわうわ。スズメ目ってさーぁ、6,700種以上もいるらしい。鳥類が全部で11,000種とかっていう規模だったから、半分以上がスズメ目なのか・・・!それはそれで圧倒されるねぇ。」

「うん。すずね、今日はこの「鳥」展を通じて鳥さんの世界をお勉強してきてるわけだけど、その壮大な規模と奥深さについて少しでも知れることができて良かったの。」

スズメ目のなかで特集コーナーを組まれていたのが、フウチョウの仲間なの。フウチョウっていう鳥さんがいることも初めて知ったし、スズメ目といってもね、そもそも普段すずが会っているスズメさんとはまったく違う見た目なんだよ。

「見て!さっきのケツァールよりもカラダは小さいけど、ゴージャスさでは負けないんじゃない?」

上品な光沢感のあるブラックドレスをまとったような鳥さんはカンザシフウチョウ。そして、冠から長い飾りを垂らしたような優雅な鳥さんは、フキナガシフウチョウというらしい。どちらもニューギニアに暮らす固有種なんだって。フウチョウは別名でゴクラクチョウ(極楽鳥)とも言われるらしいよ。

“カンザシフウチョウ”
“フキナガシフウチョウ”

「あんなに飾りがついていて、邪魔じゃないのかねー?」

「求愛のための飾り羽なんだって。昔はニューギニアの原住民のニンゲンたちからも重宝されていたって解説に書いてある。なるほど・・・。むーん。」

・所要時間はなんと4時間!

フウチョウの特設コーナーの向かい側には、比較的身近な鳥さんたちもたくさん見かけることができた。ムクちゃん(ムクドリ)、イソヒヨちゃん(イソヒヨドリ)、ハクセキレイやルリビタキなど、すずが普段野鳥観察をしているときにも見たことのある鳥さんたちもしっかり展示されていた。

そして。

「あ!スズメさんもちゃんといたよー!良かった。」

「そりゃぁそうだよねー、珍しい鳥さんばっかりじゃないよね。」

「またご近所でも会えるよね。いつも楽しませてくれてありがとうね。」

“スズメ目スズメ科のスズメちゃん”

最後の最後、スズメ目スズメ科のスズメちゃんにもしっかりご挨拶をしてから、会場をあとにしたのだった。

12時頃に入館してから順序どおりに丁寧に鳥さんたちを見て回り、結局、建物の外に出たのは16時を回っていた。

見ごたえがありすぎて体力と集中力のペース配分が難しかったけれど、なんとか第8章まで見られたし、最後には、しっかりおみやげコーナーも楽しんだよ。

ちなみに、絶対に買いたかった公式図録を一冊と、それから、「鳥」展オリジナルの手捺染の手ぬぐいを2色ともゲットしちゃったよー!

“公式図録は貫禄の152ページでずっしり!手捺染てぬぐいもカワイイ”

あっ!そうそう、撮影コーナーもあってね、顔はめパネルならぬ羽根はめパネルでも遊んだよ。まっ、すずはもともと立派な赤い羽根を持ってるんだけどね、アハッ!
ボブぞオヤビンもハンペンも楽しそうにしてたよ。

“ライオンのボブぞだって、時には鳥になりたい”
“ハンペンはもともと鳥ですから・・・”
“すずはもともと赤い羽根があるよ!ウサギさんなのにねーっ?!”

「よ・・・4時間・・・!ほぼ休憩なし、さすがに疲れたーぁっ!」

会場内はベンチなどの座れる場所が1箇所しかなく、しかもちびっこ連れのご家族やシニアたちが休憩していたから、最後まで立ちっぱなしの歩きっぱなしになっちゃった。もし途中でお昼ごはんやおやつを食べられるようなスポットがあれば、朝から閉館までまるまるイチニチいられちゃうっていうくらい、充実した展示内容だったよ。
(同日再入場ができるようなルールがあればうれしいけれど、企画展についてはないみたいです。)

・ぬまがさワタリさんによる「鳥のひみつ」コーナーがクスッと笑えてわかりやすい!

そうそう!すずがこの「鳥」展のなかでお気に入りのコーナーがあったの。

それは、イラストレーターのぬまがさワタリさんによる「鳥のひみつ」!

この「鳥」展、全体的には最先端の研究に基づく学術的かつ高度な内容が盛りだくさんで専門用語も多くみられるんだけれどね、一方で、鳥さんに詳しくない人やちびっこでも楽しく知識を得られるように、カワイイイラストの入ったボードがたくさん掲示してあったの。
ぬまがさワタリさんという方は、知る人ぞ知る、鳥イラストでおなじみのイラストレーターさん。すずはね、以前からSNSで知ってたんだけど、博識だし思慮深いし、それなのにキャッチーで親しみのある鳥さんの絵を描いていて、すごく好きなの。

えーっと、ネタバレになっちゃうからここではあえて全部は紹介しないけど、「孤食(なわばり)のグルメ」は面白くてクスクス笑っちゃったなぁ!
あと、同じチーバ県民として、「チバエナガ」ちゃんのお話は激しく同意!このボードをくまなく見ていくだけでも、鳥さんのこと、いっぱい知ることができるようになってるよ。

これから「鳥」展に行くオトモダチは、ぜひ、ぬまがさワタリさんの「鳥のひみつ」イラストボードを、見逃さないようにしてみてね!

・「鳥」展、必ずまた遊びに行くよ!

さぁて!
「すずちゃんの野鳥にびっくりでSHOW」、番外編の今回は、「国立科学博物館 『鳥』展でワクワク大興奮」をお送りしました。

いかがだったでしょーか?!

すずはね、あまりに楽しかったから、会期中また遊びに行こうと思ってるよー!

おみやげに買ってきた図録をしっかり読み込んでから再度展示を見に行ったら、きっと理解も深まるんじゃないかな。

「鳥」展、とぉってもオススメです!東京での会期は、2025年2月24日(月・振替休日)まで。その後は名古屋でも予定されてるらしいよ。

ぜひ遊びに行ってみてねー!

以上、すずちゃんのぉぉぉぉぉっ野鳥にびっくりでSHOWぉぉぉぉぉっ!

また次回お会いしましょー!
レポーターのすずこと鈴之助でした。

ばいばーい!

鈴之助

“ペンギンいっぱいペン!”
“アデリーもいたペン”

特別展「鳥 ~ゲノム解析が解き明かす新しい鳥類の系統~」

場所: 国立科学博物館(東京都台東区 上野公園)
会期: 2024年11月2日(土)~2025年2月24日(月・振替休日) 9時~17時
※東京のあとは名古屋でも予定しているようです
※休館日は公式ホームページをご確認ください
https://toriten.exhn.jp

イラストレーター ぬまがさワタリ さん

鳥さんだけではなく、さまざまな自然環境や人間社会との共存についての示唆に飛んだイラスト・マンガが豊富でほんとにためになります。そして、クスッと笑えるポイントが多くてホント楽しい。
これまでも好きだったけど、今回の「鳥」展でますますファンになっちゃった!

公式ブログ https://numagasablog.com/
公式Bluesky @numagasa.bsky.social
公式X @nunagasa

「すずちゃんの野鳥にびっくりでSHOW – 第24回 今年もバードフェスへ!」
https://bobingreen.com/2024/11/07/11261/

「すずちゃんの野鳥にびっくりでSHOW – 第23回 谷津干潟で世界を旅するシギチドリに会う」
https://bobingreen.com/2024/10/17/10850/

「すずちゃんの野鳥にびっくりでSHOW – 第17回 白く染まる並木はカワウさんのコロニー」
https://bobingreen.com/2024/03/12/8584/

「すずちゃんの野鳥にびっくりでSHOW – 第16回 お不動さんのお庭でヤマガラさんに出会う」
https://bobingreen.com/2024/03/05/8462/

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Rin(リン)

ぬいぐるみブロガー、Rin(リン)です。 ライオンのボブ家と愉快な仲間たち、そしてニンゲンのケンイツ園長と一緒に、みどりキャンプ場で暮らしています。 ボブ家の日常を、彼らの視点でつづっていきます。

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