“nico”でニコニコ
「では、カンパーイ!」
キレイに磨かれたワイングラスには、”nico”というロゴがブドウのマークとともに入っている。並べた2つのグラスに注がれたワインは別の種類。飲み比べできるだなんて、なんだかワクワクするの。
わたしはクンクンと鼻をきかせて、それから、静かにくぴり、とひとくち含み、ひんやりとした心地よい温度のあとに口の中で広がる酸味と旨味を楽しむの。
わたし、ワインの味がわかるライオンなのよ。
うふふ、こんにちわーに!
わたし、ライオンのボブこよ。
さぁて、突然ですが、問題です。
「ココはドコでしょう?」
ちょっと優雅な感じのレストラン?
それとも重厚なカウンターのあるワインバー?
いいえ!
実はココ、フードコートのなかにある立ち飲み屋さんなのー!
ワイン専門の角打ち(かくうち)ってやつでね、あ、角打ちっていうのは酒屋さんの一角で飲むスタイルのことを呼ぶのだけどね。イスもないカウンター席で、お昼間から飲ませてもらってるってわけ。
ウィーアー、イン、ヨコハーマ!(We are in Yokohama!)
さすがねぇ、ヨコハーマって街は!いちいちいろんなものがおしゃれだし、行き交う人も建物もキレイで華やかなの。
わたしたちが暮らすチーバの郊外ではこんな体験はできないし、だからといってトーキョーのど真ん中だと、いろんなものが密集しすぎていて、ドコをどう歩いていいかもわからない。
そう。わたしたちね、いま、9才のお誕生日のお祝いを、ヨコハーマでしてもらってるの。わたし”たち”というのは、わたしと弟のボブぞのこと。わたしたち、双子のライオンなのよ。
たまたまヨコハーマにご用事もあったし…、ということで今年のお誕生日はお泊まりで遊びに連れてきてもらったの。
ボブぞのリクエストは映画で、わたしのリクエストはおいしいワインよ。(あ、9才っていってもライオンだからもう成人してるのよ、念のためね。)
ココはヨコハーマ駅直結のジョイナスっていう商業施設の奥のほうにあるオッシャレーなフードコート。周りをみるとハンバーガーにかぶりつくおニーさん、立ち食い寿司のカウンターに行列をなす人たち、中華やエスニックのスパイシーな香り、いろんな料理が混在していて、それはもう魅力的な空間なの。
そして、わたしたちがワインを飲んでいるこのお店の名前は”nico”。名前の由来はわからないけれど、グラスを2つ(2個)並べてみたら、ニコがニコでニコニコになるからかなー?って、ダジャレかもしれないわね?!わたしはなんだか妙に納得してるの。
「ボブこさんはホントにワインが似合うよね。」
リンくんがニコニコしながらわたしにグラスを手渡そうとする。
「うれしいわ。でもグラスが繊細で割っちゃいそうで怖いから、アーンしてちょうだいな。」
「ふふ、ワインはアーンじゃないけどね。いいよ、グラスはわたしが支えてるから、ボこちゃん、もうひとくちどーぞ。」
クピ。
真夏のヨコハーマで、ニコニコしながらいただく立ち飲みワイン。
ニコがニコでニコニコ!
ついつい、もう1杯・・・ということでリンくんに選んでもらって、お店のオススメチーズと一緒に流し込むの。
わたし、軽い酔いにカラダがほんわかして、いい香りに包まれてとっても心地よいわ。
「わたし、ヨコハーマだいすきよ!それからヨコハーマで飲むワインもすきよ。」
わたしがそう言うと、リンくんは顔を上げて、微笑んだ。
「ボブこが喜んでくれて、良かった。」
ニコニコ
ニコニコ
笑顔があふれる街ヨコハーマに”nico”ありね。また来たいわ!
ボブこ
今回いただいたワイン
①【オレンジワイン】 バダルッコ・デ・ラ・イグレシア・ガルシア プリモ・パサッジョ 2022 (産地: イタリア シチリア / 品種: グリッロ主体)
②【オレンジワイン】 ファス・ベー スリー・リトル・バーズ 2022 (産地: フランス ルーション / 品種: マカブー)
③【ロゼワイン】 レ・ジャルダン・ド・テゼィ アド・リビチュム 2021 (産地: フランス ロワール / 品種: ピノドニス)
④【赤ワイン】 テスタロンガ ベビー・バンディート・フォロー・ユア・ドリームス 2022 (産地: 南アフリカ スワートランド / 品種: カリニャン 100%)
※今回お邪魔したのは横浜店だけれど、二子玉川や渋谷にもお店があるそうだよ。チーバにはないのが残念だけど・・・!
nico WINE SHOP
https://www.nico-wine.com