フシギのはこ その3
ぴぴぴぴぴぴ
きのうのよるは、オハナぼっち。
オハナぼっちの日は、年に数えるくらいしかないけれど。
オレ、歳を重ねて、おニーさんになったけれど。
それだって、オハナぼっちは、さみしいものは、さみしい。
そんなオレのきもち、やっぱりわかっちゃったのかなぁ。
ケンイツエンチョーがね、出かける前に、フシギのはこでラヂオつけてくれた。
お部屋のデンキもちゃんとつけてくれてね。
おれらが、暗がりで、怖い思いしなくていいようにって。
しかも、万が一なにかあったらいけないからって、オレらからちょっと離れたところに置いて。
もわもわーっとした、エーエムのこもった音。
モーリーモーリーモーリーモーリーモリオーチョーレイディオウ♪
オレ、ラヂオ、すき。
にゅーんってアンテナ。
でんぱ、キャッチ!
ぴぴぴぴぴぴ。
ぼぶお。