美術評論家 小難香椎之助先生の詩(うた) — 田島享央己 個展『This boy』へゆく
美術評論家 小難香椎之助という人をご存知だろうか?
え?読み方さえわからないって?
うむ、じゃあ教えて差し上げよう。
小難香椎之助と書いて、こむずかしいのすけ、と読む。
小難香椎之助先生は、オラが大好きな彫刻家であり画家の田島享央己先生の作品を片っ端から批評している美術評論家なのだ。
オトモダチのみなさん、こんにちわーに!
おっす!オラ、パブロヲ!
今年もやってきたぞ、寺田倉庫!
寺田倉庫とはトーキョーは品川、天王洲アイル駅から運河を渡ったエリアにある倉庫会社で、ここには現代のアート作品を展示するギャラリーがいくつも入居しているのだ。
そのなかのひとつがgallery UG。今、このギャラリーの所属アーティストである田島享央己(たじまたかおき)先生の個展が開催されてるのだ。
以前にもこのブログで紹介してるんだけどね、おチン(イヤンお恥ずかし)を出してるどうぶつの絵やお彫刻で話題のアーティストなんだよ。
今回も新作がたくさん展示されているというから楽しみ!そして、なんといっても、今回、前述の小難香椎之助先生による品評も会場で読むことができるらしいとの前情報が!
「オラ、田島先生はもちろん好きなんだけど、小難香先生の文章がたまらなく好きなんだよなぁ!」
「パブロヲ、あら奇遇!わたしもなんだよねーぇ、田島先生の作品と小難香先生の文章はある意味セットというか。どんな融合で展示を見せてくれるのかな?楽しみ!」
リンくんも実は小難香椎之助先生のファンらしいぞ。ふふふ。
というわけでさっそくレッツゴー!
ギャラリーの前に到着すると、入口外に1台のモニターが。白い背景に黒い文字でただひたすらテキストがスクロールされている。
「お。さっそく小難香先生だ!」
小難香椎之助先生自身の紹介文とともに、田島享央己論アーカイブのごとく、過去SNSでも見覚えのある独特の言い回しの批評文がつらつらと垂れ流されている。
腕組みをしてひたすら読み耽るオラとリンくん。トシちゃんの『ときめきTONIGHT』のくだりあたりから読み始め、ぐるっと一周するまでまる15分近くかかった。
プリン体たっぷりの脳みそをカニ爪でくすぐられるような、もしくは、脂肪をたっぷり蓄えた小脇をガブガブとマジックハンドで甘噛みされるような、そんなテキストの羅列を目にして、コトバの意味とは、ハテ、と圧倒される。
「ホぉラ、リンくんってば、さっそく影響されてるぜ、アハッ!」
「いやぁ、小難香椎之助先生の文体たまらなく好きなのよ。そのまままるごと飲み込んで食べちゃいたいわ。」
「ハテ?どゆ意味?」
「真似できるもんならしたいってことよ、ふふん。あー好き。ステキ。あ、違う、嫌い、大嫌い。うーん、違うな、難し、難し、あぁ小難し!」
ハァ…リンくん、すでに小難香椎之助ワールドにどっぷりハマってる。
オラたちは入口前でうだうだそんな立ち話をして、それからとりあえず来たよの記念撮影をした。前回同様ギャラリー内は撮影できないかもと思ったから、ガラス張りでスッケンスケのギャラリー外から、ほんのりとした写真だけでもと思い撮らせてもらった。
「こんにちはー。」
入室するとさっそくギャラリーの係員のおねえさんに話しかけられるリンくん。
「こんにちはー。」
「さっき見ちゃったんですけど…、ハシビロコウ撮ってました?」
「あ、見てました?アハッ!好きなんですよ、ハシビロコウ。先生のハシビロコウの作品も。」
どうやら、オラ、バレてたみたい。
「そうなんですねー!今回はハシビロコウ作品はないんですが、立体も絵画も新作がたくさんあるので楽しんでいってくださいね。」
今回ハシビロコウがいないらしいのは残念だけど、それは前回オラも目に焼き付けたからダイジョブ。
むしろ、まさかまさか田島享央己先生のリアル作品を前にして、小難香椎之助先生の品評のコトバを楽しみにしてきただなんてこと、オラはなかなか言い出せないぞ。
「ありがとうございますー。」
当たり障りなくそういって係員さんと別れると、オラたちはあっという間にアチャラカ世界に引き込まれていった。
会期は11月15日(土)まで。
一点一点の撮影はNGだけれども、ふんわり遠めの会場雰囲気を撮るのはOKとのこと。
これから行くオトモダチたちのためにも詳細は避けるが、今回の個展では、やはり期待通り、いや期待以上にテキストが強く色濃く作品理解を押し上げてくれた。
田島享央己先生自身によるキャプション、そして、小難香椎之助先生による個々作品(もしくは連作グループ単位)への品評。
シンプルに、すんげー面白かった。
すんげー見応えがあった。
無料で鑑賞させてもらって、申し訳ないと思った。
もちろんギャラリーとしては購入してくれる(購入してくれそうな)お客さんには声がけをして接客をしているけれど、うちのリンくんのことは良くも悪くも放置してくれた。
せめて、入場料取ってくれよな、それか別のカタチで対価を払わせて欲しい。
そう思えるくらい楽しい時間を過ごさせてもらいました。
オラ、やっぱり田島享央己先生が好きだー!そして、今回の展示では小難香椎之助先生による客観的説明によって、何倍にも作品理解が深まったよ。
「あー小難香椎之助先生の品評集、出してくれないかなぁ。あの文章がメインで、田島享央己先生の作品を挿し絵的に入れただけの本でも手元に置く価値あると思う。」
リンくん、マジ顔で言ってましたよ。
1時間ほど滞在、ホクホクとココロを満たしてして退室。
「なぁ、リンくん?」
「なぁに?」
「聞けばよかったのに。」
「何が?」
「小難香椎之助先生はご来場されることはあるんですか?ってね。」
「アハッ!!!そりゃあ無粋ってもんだよ、パブロヲ。」
…エ?エ?ソーナノ?!
美術評論家 小難香椎之助先生の謎は深まるばかり…。
少しでも興味を持ったオトモダチは天王洲アイルへ行ってみたらいいと思うぞ!
パブロヲでした!
パブロヲ
田島享央己 個展 『This boy』
会期: 2025/10/24 -2025/11/15
開廊時間: 11:30 – 18:30
休廊日: 日、月
会場: gallery UG Tennoz
https://gallery-ug.com/exhibitions/this-boy/
▼昨年2024年の個展の様子はコチラ▼
「パブロヲ、田島享央己先生のハシビロコウに出会う」
https://bobingreen.com/2024/10/23/10990/
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