すずちゃんの野鳥にびっくりでSHOW – 第3回 手賀沼デビュー戦

「雨上がりの早朝6時。こちらは静かな水辺の遊歩道にやってきております。のんびりとワンちゃんのお散歩をする人、ジョギングやサイクリングを楽しむ人たちに混じってね、すずもカメラ片手に散策してるんだよ。ホラ、鳥さんたちがさえずる声がアチラコチラから聞こえますね?!さぁ、ココはドコでSHOW!」

パタパタパタパタ!
パタパタパタパタ!

みーんな!こんにちわーに!!!
野鳥レポーターの、ウサギのすずこと、鈴之助でっす。

わたくし鈴之助、今朝は、手賀沼にやってまいりました!
テガヌマってドコ?と思われる方もいらっしゃるでしょう。チーバは北西部、利根川を挟んでイバラーキと隣接する地域にある我孫子市や柏市にまたがる沼なんだよ。一周すると約20km、現在は探鳥スポットとしてもちょっと盛り上がってるんだ。(ン?すずだけ?いや、そんなことないよね。)

「チーバは手賀沼で、今日は野鳥探し!すずちゃんのぉー!野鳥にびっくりでSHOW!第3回は、手賀沼デビュー戦だよぉ!」

「鈴之助レポーター、今日の目標は?」

「エーっとエーっと・・・できるだけたくさんの種類の鳥さんを見つけること!です!」

そう、今日の目標は、鳥さん何種類見つけられるかな?です!よぉし、今回も張り切っていってみよー!

スタートは、道の駅しょうなん。
手賀沼大橋という、手賀沼の中心部を南北につなぐ橋のふもとにある道の駅で、南側の柏市側にあるんだよ。ココに愛車モビスケに待っていてもらって、今日は、南西側の遊歩道沿いに鳥さんを探しに行くの。

「レッツゴー!」

【ホオジロ科 ホオジロ その1】

チチッ!チチチッ!

手賀沼から遊歩道を挟んで田んぼ沿い、草むらの細い枝に留まっては一生懸命のどを鳴らすのは茶色いおなかの鳥さん。

「野鳥レポーター鈴之助でっす。君はだぁれ?」

チチッチチチッ!

「ン?なんだか高い声だね。エーッと・・・。リンくーん、調べて!」

「はいはい、すずちゃん、承知ですよ。エーッと・・・。ホオジロ?かな。」

「あ!ホントだ!みなさーん!見てください、おなかや背中がうす茶色いけれど、お顔は濃い焦げ茶色とそれからほっぺたが白いです!ほっぺたの白い鳥さん、こちらは、ホオジロだそうです!ホオジロぉー!」

チチッチチチッ!

“ほっぺの白いホオジロさん”

以上、1種類目はホオジロ科のホオジロを発見、発見でした!

【キジ科 キジ】

クワァーックワァーッ!
クワァーックワァーッ!

こちらはおなじみの大きな鳴き声、大きなカラダから発するパワフルな威圧感のあるコレは、そう、キジさん!

「キージさーん!ドコー?ドコにいるのかなー?」

パタパタパタパタ?

すずの大きなお耳をすませて、キジさんの鳴き声のする方向へ向かう。沼の遊歩道を外れてさらに山側、田んぼのあぜ道の方へと引き寄せられた。
すると。

“田んぼのあぜ道へキジさんを探しに来たよ”
“キジさん、ドコー?”

「アレ?アレもしかして鳥の形じゃない?」

リンくんより目がいいケンイツエンチョーが指をさす。田んぼのあぜ道の途中に、ニョコっと物体が見えた。

「お?どれどれ?」

ニューンっニューンっ。

リンくんがカメラのレンズの望遠をMAXにして確認。

「おわー!キジ!キジだぁキジだぁ!すず、キジ、いたー!」

“日本の国鳥だよ!派手なキジさん”

わぁーいわぁい!キジさんの姿を発見、発見です!キジといえば日本の国鳥。赤ら顔と青緑色の派手な装いで、とってもカッコいい鳥さんなの。

どのくらい距離を縮めて良いものか、おそるおそる、一歩ずつ、静かに近づいた。

そんな緊張の場面でも、キジさんは気にも留めず鳴き声を上げる。

クワァーックワァーッ!
クワァーックワァーッ!

「いつも思うんだけどね。」

緊張感のないリンくんが話しかけてくる。

「ン?リンくん、シィーッ。静かにして。」

「あ、ごめん。・・・(小声)いつも思うんだけど、なんでさぁ野鳥の本に書いてあるキジの鳴き声の擬音て、”ケーンケーン”とか”カーンカーン”、なんだろ。絶対、クワァーックワァーッ!にしか聞こえないのよ。」

「・・・うん、それはリンくんの独特な擬音や擬態の表現なんだと思うけどね。まぁでも、キジに関しては、おれもそう思う。」

エンチョーがめずらしく同意している。

「エンチョ、リンくん、シィーっ!キジさん、田んぼに入ってなんかつついてるよ。」

注意散漫なニンゲンたちを横目に、わたくし鈴之助レポーター、ちゃんとキジさんのこと見てるよ!まだ水を入れて田植えをしたばかりの田んぼには、キジさんの好物のエサがいるのかな?
水面をジィーっと見つめるキジさん。ハラへったなぁーって感じかな?

“水面をジィーっ”

バサバサバサバサ!!!

うぉぉぉぉぉ!
なんと、キジさんが、飛んだ!

「エッ!キジって飛ぶんだっけ?」

「いやでもいま飛んだよ!」

うわぁー・・・。ちょっと近づきすぎたかな、びっくりさせて居心地悪くしちゃったかな・・・ゴメンなさい。

あまり飛ばないというキジさんを飛ばせてしまったうちのリンくん。
野鳥カメラマンとしては全然失格ね。はぅー。

というわけで、2種類目はキジ科 キジでした!

【ホオジロ科 ホオジロ その2】

ツツピーピロロリャ!

「ンー?なんだろ、この鳴き声?聞いたことないなぁ。」

どこから聞こえるのかと思ったら。

アカマツのてっぺんに留まる鳥さんを、発見、発見!

“アカマツのてっぺんに留まるホオジロさん”

「アッチも、あ、ほら、コッチにも!」

沼沿いのアカマツが群生するエリアでは、あちらこちらのアカマツのてっぺんに留まっては鳴き声を交わし合っている。

ツツピーピロロリャ!

例によって例のごとく、リンくんカメラマンがズームで確認。
すると、

「あれー、さっきの鳥さんと一緒だよ?ホオジロっぽい。」

ほぅ!鳴き声は全然違うのにね???

後から調べたらね、地鳴きと繁殖期のさえずりで違うみたい。こちらは繁殖期のオスのさえずり!

ツツピーピロロリャ!

鈴之助レポーター、ひとつお勉強になりました!発見、発見!

“アカマツの木”

【カモ科 カルガモ】

再び田んぼへ。

“再び田んぼへ”

「グワァーグワァ―!グワァーグワァー!」

「・・・ねぇねぇ、リンくん。鳴き真似はしなくていいよ。すず、この鳥さんはよく知ってるよ。カモさんでしょ?」

“カルガモさん!”

「あ・・・失礼しました、アハッ!」

たった一羽で田んぼにいるカルガモさん。沼は目と鼻の先だけれど、どうやらひとりで飛んできたっぽい。おいしいものでも探しに来たのかなー?

「すずちゃーん、グワァーグワァー!」

だーかーら!キジさんを驚かせて飛ばせてしまったくらいのダッサいリンくんは放っておいて、次の鳥さん探しに行ってみよー!

あ、3種類目はカモ科 カルガモさんでした!

【チドリ科 コチドリ】

「あれ?カルガモさんの手前にさ、とってもとっても小さな鳥が動いてるね、ほら、まだ水を張る前の田んぼの中。土の色と似てるから全然追えないけど。」

「どれどれ???」

リンくんがデジカメの望遠でニューンニューンする。

ぱしゃぱしゃぱしゃ。ぱしゃぱしゃぱしゃ。

ぱしゃぱしゃぱしゃぱしゃぱしゃぱしゃ。

「リンくーん、めっちゃ連写するねぇ!」

「だって、全然目で追えないんだもの・・・。ホント小さな鳥。スズメさんよりも小さいくらいなんじゃないのかなぁ。あとで確認して、撮れてたらラッキーってことで。」

おっし、リンくん、でかした!

おうちに帰って写真を見返してみたらね、なんと、ちゃんと写ってたよー!

“「田んぼのわきの荒れ地」のコチドリさん”

調べたら、コチドリさんというお名前の鳥さんなんだ。「田んぼのわきの荒れ地などに卵を産みます」(『フィールドガイド 手賀沼の鳥』、p.61)だって。
おおおぉ、まさに、田んぼのわきの荒れ地だった!

4種類目は、チドリ科のコチドリでしたーぁ!

【ウ科 カワウ】

せっかく手賀沼に来たのだから、沼の水面にも目を向けてみよう!
しかーし・・・。

「ねぇ、なんでこんなにさ、遠いの?」

そう、このあたり、手賀沼の南西部の遊歩道沿いには、ヨシ原が広がっていて、実際の水面まではかなり距離がある。これならば、そこらへんの貯水池のほうがよっぽど間近に見られるなぁって、思う。

「このヨシ原に住む鳥さんたちもたくさんいるんだよぉ、きっと。それにさ、でっかい沼だから。ホラ、カワウの三兄弟がいるよ!」

「あ、ホントだー!カワウさん発見、発見!しかし遠いねぇ。」

“手賀沼のカワウ三兄弟”

すずたちのいる遊歩道からはかなり遠い距離だったけど、明らかにカワウさん。黒くて大きくて水辺にいて、ホラ、止まり木で休んでる。カワウ三兄弟、発見、発見!

5種類目はウ科 カワウさん!

【モズ科 モズ】

沼に生えている一本の木から、聞こえる不思議な鳴き声。

“手賀沼の南側から北側を眺める”

防犯に使うスタンガン、低くて速い機械みたいな音。

ぢゃぢゃぢゃぢゃぢゃ!
ぢゃぢゃぢゃぢゃぢゃ!

「アッチの方から聞こえるー!」

うぃーんうぃーん

リンくんがカメラのズームで追うと、そこに一羽の薄茶色の毛で覆われた鳥さんが、一生懸命鳴いていたの。

“ぢゃぢゃぢゃぢゃぢゃ!”
“モズさんっていう鳥さんだよ”

ぢゃぢゃぢゃぢゃぢゃ!
ぢゃぢゃぢゃぢゃぢゃ!

その場ではわからなかったけれど、後で調べてみたら、どうやらモズさんというらしい。

モズさーん!発見、発見!6種類目は、モズ科 モズさんでした!

【ヒタキ科 ツグミ】

“ヒヨドリさんかと勘違いしてたらツグミさんだって!”

【その他 いつもの鳥さんたち】

ヒヨドリ科 ヒヨドリさん
ムクドリ科 ムクドリさん
ハト科 キジバトさん

“ムクドリさん”

「それから?」

「スズメさん!スズメさんって、何科?」

「エーッと・・・、エ?スズメ科じゃないんだ?ハタオリドリ科、っていうらしい。」

「ハタオリドリ科?」

「うん、ほら鳥博で買ったさ、『フィールドガイド 手賀沼の鳥』この本によれば、ハタオリドリ科だって。」

へぇー!すず、知らなかった!びっくりびっくり!こんなことにもびっくりでSHOW!野鳥さん、知らないことだらけだねー!

というわけで、いつもの身近な鳥さんたちにもいっぱい会えたよ。
大満足!大満足!

【ツバメ科 ツバメ】

「ふぅー!よく歩いたねー!」

モビスケのもとに戻ったのは、出発から2時間後のことだった。本当はもっともっといっぱい見つけたい気持ちもあったけれど、手賀沼一周は20km。今日は4分の1くらいのところで切り上げて戻ってきたのだった。

駐車場のトイレの軒下には、ツバメが巣を作って一生懸命子育てしているのが見えたの。

「すず、ツバメさん、ちゃんと見たことないなぁ!ツバメさーん、子育て中のところ、キョーシュクでぇす!ちょっとだけ、ちょっとだけ見させてね。」

“ツバメさんって改めて見るとキレイだよね”

本日最後の鳥さん発見は、ツバメさんでした!

「鈴之助レポーター、手賀沼デビュー戦、おつかれさまでした!ところで、全部で何種類、見つけられた?」

「えっとー!お名前がわかってるだけで、12種類!!!」

「おおおおー。やったね。12種類って、なかなかじゃない?二桁!さすが野鳥レポーター鈴之助!やるぅ!」

「ウンッ!すず、野鳥大好き!これからも手賀沼でいっぱい鳥さん見つけたいの!」

すずちゃんのぉー野鳥にびっくりでSHOW!第3回はこれにて閉幕ー!
また来るよ!手賀沼!!!

すず(鈴之助)

“大変お世話になったガイドブック!”
“フムフム”
“ほうほう”
“野鳥レポーター鈴之助の愛読書”

千葉県立 手賀沼ふれあい緑道
https://tegaryoku.com/

サントリーの愛鳥活動
https://www.suntory.co.jp/eco/birds/

我孫子市鳥の博物館ガイドブック10 『フィールドガイド 手賀沼の鳥』、発行: 我孫子市鳥の博物館、1999年

「鳥博士になりたいウサギ」
https://bobingreen.com/2023/05/02/4794/

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Rin(リン)

ぬいぐるみブロガー、Rin(リン)です。 ライオンのボブ家と愉快な仲間たち、そしてニンゲンのケンイツ園長と一緒に、みどりキャンプ場で暮らしています。 ボブ家の日常を、彼らの視点でつづっていきます。

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